黎明期
近年、世間の注目を集めている5G。“超高速・多数同時接続・低遅延・高信頼”の新たな無線ネットワークの登場に熱い視線が送られるなか、地方自治体や地域企業がより大きな期待を寄せているテクノロジーがある。それがローカル5Gだ。
「この技術があれば、企業等が自社でコントロール可能な独自の5Gネットワークを構築することができる」と語るのはプロジェクトオーナーの鈴木。
将来的には「すべての作業、機械操作を自動化したスマートファクトリー」の建設も夢物語ではなくなると言う。だが、現状ではこのような未来を実現することは難しい。できたとしても、全国には普及しないだろう。なぜなら、企業単体では手が届かないほど設備が高額だからだ。国内通信キャリアは、数千億円を投資して5Gの基地局などを導入している。これほどのハイスペックは不要としても、日本にはグローバルベンダーが開発した数億円規模の製品しか存在していない。
「そこにチャンスがある」と思った鈴木は、高品質かつ低価格な“国内ベンダーによる製品”を夢みるようになる。